飯沢耕太郎『Photographers』(作品社、1996)のラリー・クラークの章を読んでゐたら、こんなことが書いてあつた: そんな時、少部数で自費出版され、写真家ラリー・クラークを一躍ヒッピー・カルチャーの旗手に祭りあげてしまったのが、彼の最初の写真集Tul…
John Gossage が、今までにどんな本(または類似した形態の出版物)を出してきたのか、ひと目でわかる記事がweb上で探した限り見当らない。で、一覧にしてみた。これが全てではなく、特にグループ展のカタログなどはまだある。(随時追加)(単独の著作、展…
平成山人の評論隨筆(自己紹介)より 今一つの拘りは日本語の傳統表記。 親しい友人らからは、「お前のパソコンは江戸時代製か」 とか、「平賀源内が作つたワープロソフトを使つてゐるのか」 なんぞと突つ込みも入るが、(後略) かういふ反應は珍しくない。…
副題がGuitar Masters in Photographs and Wordsとあつて、ギタリストたちの肖像写真とその言葉を集めた本。写真はハイコントラストのモノクロームで、ギブソンらしい写真ではあるが、名のある人たちを写してゐるのだから、変なことはしてゐない。 ギタリス…
廃虚写真「模倣された」プロ写真家が同業者を提訴(MSN産経ニュース) 以前から 小林伸一郎氏 盗作・盗用検証サイト などで指摘されてゐたことだが、結局『棄景』の丸田祥三が、小林伸一郎を訴へた、と。少くともこれらの写真を比べると、丸田氏が怒るのも無…
Blurb > Blurb Bookstore Blurbは、オンラインで受注して写真集を作ることを商売にしてゐる。かういふサービスは、しばらく前からいろいろあつて、近所のカメラ店(カメラのキタムラ)も大売出し中で各種サイズの見本をずらりと並べてゐる。子供の成長記録、…
森山大道の『新宿+』の製本は貧弱すぎる。粗悪と言つていい。通販で買つたら見るからにさうなので、あまり手に取らないやうにしてゐた。「+」は文庫版であり、元の本『新宿』を持ってゐるから見なければ見ずに済むのである。もちろん、写真が増やしてある…
尾仲の九册目になる写真集。今までとはかなり印象の違ふ本だ。1992年のフランス滞在時の写真ださうだが、安宿のなかで撮られた狭苦しい眺めが中心で、風景までも暗く、目の前を何かで塞がれた感じ。尾仲氏ならではの、静かななかに心躍る感じはない。黒い布…
毎度お馴染みの特集。イギリスの写真家で、スティーヴン・ギル(Stephan Gill)が最初に出てくるが、この人は知らなかつた。まあ世の中知らない人だらけなんだが。で、彼の作品の紹介とともに、書棚を拝見といふページがあつて十册が紹介されてゐる。知らな…
「写真の会賞」は、西井一夫を中心として集まつた「写真の会」の会員が話し合つて、「写真的行為」に対して出す賞ださうである。西井は亡くなつたが、会も賞も続いてゐる。 1998年の第10回は浜田蜂朗『殺風景』(浜田蜂朗写真集刊行会、1997)と他二作品に授…
昨日の続き。どんな本か。小さく薄い本で、十点の写真。九点が「reproductions」で一点が「original photograph」。タイトルの通りなのだが、三つは富士山みたいな形をした別のものである。山そのもの(或はその代りのもの)の見え方はいたつて普通で、つま…
知らないうちに売り出されて、知らないうちに売り切れてゐた。そのうちに「古書」として出てくるだらうと思つてゐたら、まとめて出てきた。業者が買占めてゐたのか。元の値段は分らないが、たうぜん彼らの利がのつてゐる(それは悪いことではない)。五百部…
私は三月に55ドルで買つたのだが、今見たら同じ店で75ドルになつてゐる。売行きがよくて、残りが少くなつたので値上げしたと思はれる。本に定価の記載はない。これが一度売切れると、古書市場(古書とは一度買はれたことがある本といふ意味)で値段がさらに…
知らなかつたが、去年にアリゾナ大学の Center for Creative Photography で、Ralph Gibson and Lustrum Press, 1970―1985: A Chapter in the History of Photo Book Publishing といふ展覧会があつたのだつた。http://www.creativephotography.org/press/pr…
Martin Parr と John Gossage の共著。しかし、手に入れてみると、著者の名がない。発行元もなにもない。表紙にタイトルはある。OBVIOUS & ORDINARY / AMERICA 2006 と二行で刷られてゐる。あとは、文といへば表紙を開いたところに発行部数(アメリカと欧州…